大前提で最初に記載しますが、責任を市民に転嫁しているのではない事をご理解下さいね。

年度末っていうこともあるし、最近の報道なんかを見ていて、ふわ〜んと今思った事をあとで思い出せるように明文化してみようとブログに備忘録として書こうと思ったのですが、なんかだいぶ長文になったので、今日明日に分けて書きますね(初めての二部作w)。

北海道夕張市は皆さんご存じのように、2006年に353億円の財政赤字を抱え「財政再建団体」の指定を受けました。いわゆる「財政破綻」した訳ですね。
そもそもこれだけの赤字になったのは、炭鉱閉山時の後処理にたくさんお金を使った(自治体がいろんな施設を買い取った)事、炭鉱から観光へと方向転換する時にお金を使った事(こちらも同じく、進出した企業が撤退する時に、やっぱり自治体がいろんな施設を買い取った)などが上げられますが、もう一つ大きなポイントとして「ジャンプ方式」と言われる「粉飾決算まがいの事をした」事が上げられます。
少しだけ詳しく書きますと、夕張市は単年度決算を黒字に見せるため、
1、観光企業の特別会計(市本体の会計は一般会計、別企業体が特別会計。寒河江市だと上下水道や市立病院とかが特別会計。夕張の場合もいろいろと特別会計がありますが、問題は「観光企業」の特別会計)が資金不足のため、一般会計から貸し付ける。
2、でも貸し付けるお金がないので金融機関から一時借入金をする(金融機関は自治体は破産しないとわかっているので貸す)
3、一般会計から貸し付けてもらった特別会計は、黒字で決算をし、翌年度5月までに一般会計に返済。
4、特別会計から返済されたお金を、一般会計は前年度の「出納整理期間(4月〜5月)」の収入とし、黒字の決算をして金融機関に返済。
5、でも特別会計は赤字であり、返済できるお金がないため、翌年度の一般会計からまた貸し付けてもらう(しかももっと借りないと活動できない・維持できない・利子を返せないのでさらに借りる事になる)
6、より大きくなった借金(特別会計に貸すためのお金)のため、また年度末に一般会計で、1〜4を繰り返し、翌年度から借りてくる・・・
このように、前年度決算を整理する出納整理期間(4~5月)を利用して帳尻あわせをしていったために、表面上は見えないけれども赤字がどんどん膨らんでいったようです。

私はもちろん「市長」が最高責任者なので、市長の責任だと思います。
しかし選挙では、6度もこの現職市長が当選していたそうです。投票したのは・・・。
またをスキー場とホテルの観光事業社が撤退の際、存続を願う署名が当時の市の人口よりも多い15,000人分集まっていたそうです。だから議会も承認した訳ですが、署名した人は・・・。
「決算カード」や「決算書」を読むと、見せかけの黒字である事を見破る事ができた(ウソの数字を書いたら本当の粉飾決算ですが、数字自体はウソを書いていない)のですが、住民の負託を受けているはずの議員が、どれだけ財政問題について厳しく追及していたのか?(貸付金が歳出の5割とかならわかるだろうに)。
そう考えると、市長だけの責任ではないし、言わんや「炭鉱閉鎖」や「バブルがはじけた」せいではないと思います。
ただ間違いないのは、そのツケを払うのはこの地に住む人なのです。
例えば自己破産をすれば、個人は借金返済を免れる事ができます(その後にいろいろとデメリットはもちろん生じますが)。しかし夕張市の場合、このときの借金を今夕張で暮らしている人、そして今後夕張にすむ人(子供や孫)が返済していく事になります。いや、今も進行形だから「返済しています」ですね。
借金返済しなくてはならないので自治体が使うお金を減らすため、東京23区より広い市内に小学校は1校(7校から1校)になり、市の職員は1/3、市税を最高税率にするほか使用料を引き上げ等々、「最高の負担で最低の行政サービス」と言われ、町の人口は2/3に減り、転居できない高齢者が残ったため高齢化率は国内市では最も高い49%・・・。
地方で人口減少が叫ばれていますが、夕張は人口減少が先ではなく(もちろん破綻しなくても徐々に減ったでしょうが)、自治体の経営に関する財政問題があったため、「ここには住めない」と住民から見放されて劇的に減少しました。つまり財政の問題で人口が減少したと言う事になります。
そう考えると、自治体の経営は、企業の経営以上に大きな影響を与えるものです。
自然や人の温かさ、食文化等々、ふるさとの良さはいろいろあり、それはお金では買えないとても大事なものだと思います。
しかしお金がない(この地では稼げない・暮らすのに不自由だ)と、地方は劇的に衰退していくよなと思います。
やっぱりだいぶ長文になっちゃったので、じゃあ、と言う話しは明日書きますね。

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