今年4月に私が主催させていただいた「寒河江の野菜先生を囲んで、寒河江の農業をもっと盛り上げる会」(仮称)。
その時の資料が見当たらなくなり、途方に暮れておったのですが、明日からの視察の準備をしていたらほろっと出てきました。
なので、ちょっと箇条書きになりますが、習った事を書き記したいと思います。

テーマ「農業は化学の集まり」。
野菜作りは必ず原因があって結果がある。
しかるべき事をやって、しかるべき結果が出る。

★美味しい野菜を作るための、絶対の順位。
1、タネの品種・・・人間は「氏より育ち(血筋よりも、境遇のほうが人間を作る上で大事だというたとえ)」などと言うが、野菜は品種が第一。
つや姫はつや姫のタネからしか育たない。
自分の経営目標にあったタネや苗を選ぶ。
病気に強い=抵抗性>耐病性。タネのR-1?5と書いてあればRはレジストの意味で、R-1~8よりも病気に弱い事がわかる。
2、育ち・・・1、空気(根っこが育つように)。2、水持ち。3、肥料。
人間で考えるとすぐわかる。
生きていく上で最も重要なのは1、空気。2、水。3、食べ物。
畑で一番最初にするのは深く掘って土に空気を含ませる(物理性)。水蒸気(細かい粒子で吸い込む)。肥料が無くてもまずは育つ。成長の具合によってあわせる。
一番大事なのは育てる事ではなく、その野菜を育てるにあたって何が致命傷なのかを考える。
一番失敗するのはなにか?売り物にならない事。それを回避する為の策を考える。
3、頃合い・・・収穫の適期。独りよがりではなく、買ってくれる人にあわせる。
4、たて・・・とりたて、新鮮。近くで販売して、できるだけお客さんの手に届くまでの時間を短くする。

★おさえるべき基本的な数字
1、PH・・・人間で言うなら体温。土壌の酸性度を測る。基本となるのが雨水のPh5.6(ちなみに酸性雨は5.4以下)。土壌の酸性度は5.8〜6.2。7以上は絶対にダメ。アルカリ性だと鉄分が吸収されなくなる。PHは低くて障害が出るのはあまりない。高いと障害は多く出る。
2、EC・・・人間で言うなら血圧。肥料濃度を表し、特に窒素の濃度が重要。0.6〜0.8が適正。1以上はダメ。
3、CEC・・・人間で言うなら体力。肥料をため込む力。粘度。ゼオライトなどを加えるのだが、まずほとんど変わらない。変えるのが難しい数字。
ちなみに上記3つを考慮すると、寒河江の土であれば、長生園近くの落衣の黒土が最高だ。また土壌分析をしてこれらを調べられるので、改良普及所に相談するといいだろう。

★技術とは何か
技術とは「再現性」である。いい物をとるではなく、いい物を毎年とれるようにするのが技術。農作物は段取り8分。一番大事なのは毎日何をしたか、どんな天気だったか、どういう状態だったか「記録する」こと。記憶ほど曖昧なものは無い。毎日・毎年つける事によって、いい物をとれるようになり、致命傷を避ける事ができる。

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