以前ブログで「循環バスの実証実験」について書きましたが、寒河江市では11月末までの実証実験を受けて、12月より循環バスの本運行を開始したそうです。

(山形新聞の12月1日の記事)「スマイル号」本運行・寒河江 利便性向上へ、循環バスのダイヤ改善

http://yamagata-np.jp/news/201612/01/kj_2016120100024.php

以前のブログでも問題点は指摘しているのですが、まあまず乗っている人を見たことがない。
11月5日号の市報にも書いてありましたが「10月末までで延べ2196人が利用」との事。
1月から10月までの10ヶ月間で何日運行していたかはわかりませんが、週末を除くと月20日ぐらいでしょうか。
となると1日あたりの利用者は11〜12名。これが8便(1日4便×2ルート)あるので循環バス1便あたりの乗車数は平均1.25〜1.5名。そりゃ乗っているの見たことないのは、当然かもしれません。
そして平成28年度の予算書を見ると、この事業にかけた予算は939万3千円(https://www.city.sagae.yamagata.jp/shisei/zaisei/1074020160225.files/H28yosan-gaiyou.pdf)
2196人は10月末での集計なので、事業期間である11月末までの人数を試算すると1.1倍の2416名となるでしょうか。
この人数で予算を割ると、1人あたり3,887円。しかしこれは延べ人数。
往路を循環バスで行った人は復路でも循環バスを使うのは普通だと思うので、往復ならば1人に7,774円の税金をかけて通院なりお買い物なりの補助をしたことになります。
利便性の高いタクシーに乗ってもこの半分ぐらいで済むね。
これって、果たして良い施策でしょうか?
問題点1)そもそも「実証実験」としての採算ライン、ゴールを定めていたのか?
問題点2)行政なので全ては割り切れない部分はあるとしても、もっと費用対効果の高い施策があるのではないか?
地方自治法第2条
地方公共団体は、その事務を処理するにあたっては、住民の福祉の増進に努めるとともに、最少の経費で最大の効果を挙げるようにしなければならない。
以前のブログでも指摘していますが、いったんやり始めると撤退ができない自治体。
そりゃバスが運行されたら使う人だっているだろうし、使った人は便利だって言うでしょう。
しかし「住民サービスの向上」という名の下になんでもかんでもは違うのではないでしょうか?
「実証実験」ならば、必ず「目標」があるはずです。その目標は11ヶ月でのべ2,000人を超えればOKと言うものだったのでしょうか?
だとしたらそれに1,000万円かける訳ですから、1人5,000円、往復で10,000円かかってもすべきだったのでしょうか?
もちろんこれは「福祉事業」なんでしょう。
しかしながら、1往復8,000円もかかるなら、費用対効果を考慮してもっと住民のためになるお金の使い方、あるいは運営方法があるのではないでしょうか?

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