DSC_2640今日明日は寒河江市議会の議会運営委員会視察です。
本日はペーパレス定例会を行っている(議員だけの協議会や懇談会はタブレットの所もぼちぼち出てきているが、議場で行う定例会もというのはまだ数えるほどしかない)茨城県美浦村におじゃましました。
目的地として茨城を目指したのは、初めてかも知れません。

寒河江を出発して5時間。茨城県土浦市に到着。
ここからさらに1時間、れんこん畑が続く霞ヶ浦の湖岸をバスで移動したところに今日視察させて頂く美浦村がありました。
いや〜、新幹線と電車という、比較的座りやすい座席でさえ、5時間でおしりが痛くなりました。
今週末に行われる愛媛県松山市での全国大会に、最初深夜バスで行こうと思っていたのですが、12時間×2という往復深夜バス断念して正解だったw

DSC_2642茨城県美浦村議会におじゃましたのは、議会のペーパレス化について。
議会では議員や執行部に対して、予算書や決算書をはじめ、大量の議案書や紙資料を作成、配布している。
こうした書類の紙代や印刷代などの経費削減および地球環境を考え、書類を電子データ化してタブレット端末に送り、紙と置き換えた「ペーパレス化」する議会が増えてきている。
タブレットの世帯普及率は約2割と、5世帯に1世帯がタブレットを持つ時代になっている。普及率が高まれば価格も安くなり、議会へ急速に広まりつつあるのだが、「まずは懇談会、協議会の資料をペーパレス化」という段階が多い。しかしながら、定例会も紙を使わずペーパレス化している議会がある。その一つが今回おじゃました美浦村だ。
美浦村では平成20年度より情報システム最適化を目指し、ICT機器の導入と活用を段階的(行政・教育・住民)に進めていく計画を策定。第一段階は基幹系行政システムの再構築を実施、第二段階(平成23年)では教育関係のICT化(小学校の無線LAN、タブレットPC、電子黒板の利活用)の再整備を行った。次に住民生活に直接かかわるICT施策の具達的検討を始めていたところ、東日本大震災が発生。その際情報の提供が住民に対してタイムリーにできなかったという反省から、ICTを利活用してその問題を解決できる方法を検討することになった。
そして総務省の補助事業を活用し、役場及び村内各避難所16カ所を無線ネットワークにより接続し、Wi-FiスポットとIP電話を設置し、災害発生時でも住民に情報を提供できる「災害に強い情報連携システム」を構築。そのシステムを住民代表である議会や議員が使いこなせて住民に説明もできるよう、またペーパレス化による費用削減という2つの観点から、議会へタブレットを導入し、ペーパレス化を行った。
美浦村議会は、6月定例会からタブレットを議場に持ち込み、本格的な運用を開始している。議員、執行部ともにタブレットを使い、これまでの紙資料配布の代わりにタブレットに資料内容を表示(移行期間として、タブレットと紙資料を併用。来年度から完全ペーパレス化)。またただ単に配付資料をデータ化しただけではなく、例規集が全て入っているほか、議案説明の際、議案のページめくりは個人でしなくても、説明者がめくれば全員のタブレットが同時にめくれるような設定もされていた。
私見としては、議会へのタブレットは大きく分けて3つの利点があると思う。
1つ目は紙削減による環境負荷軽減。一番目に見えて即効性のある利点である。
2つ目はデジタル化による議会事務局や執行部の負担軽減。現在議員への連絡手段はFAXか電話によるものだが、中には紙切れやトナー切れなどで何度もFAXを送らなければならなかったり、FAXが無いあるいは大量の紙資料のため1件1件配布しなくてはならない場合もある。また会議の時間を設定するにも、全員の都合のいい時間を電話で聞き調整するのも一苦労だ。しかしそれがメールで済めば年間何百分という時間を短縮することができる。
3つ目は美浦村が導入することになったきっかけでもある、災害時の連絡手段強化。全ての議員が状況を手元のタブレットで確認および災害対策本部へ連絡することができるようになると、非常にわかりやすいほか、万が一の時に議員一人一人が「今どうなっている、自分のところはこんな状態だ」と電話回線と職員を占有することがなくなる。
紙で見るかタブレットで見るかという、媒体の差であり根本的に資料・書類が変わるものではない。安倍首相も3月31日の参院決算委員会で、「将来、iPad(タブレットの代名詞)を活用した方が、議論が活性化されることがあるかもしれない。ペーパーレスを進めていく中で、パソコンを活用していくという議論もある」と述べている。この案件は地方の方が国よりも先駆けて進めているのだが、近い将来、国会でもタブレットでの議会運営がされるかも知れない。

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