12月29日に「私には理解できない日韓合意」(http://www.gotosagae.com/?p=3708)と言うブログを書きました。
今回の合意を受けて、「法的責任をこれまで同様認めておらず、日本からの謝罪も賠償もしていない。謝罪は売春婦制度をとったことの謝罪であり、強制連行は否定している。10億円も賠償ではなく、基金への拠出金だ。」と言っている人もいるが、それは日本にだけ通じる話であり、全世界的には「日本政府が、第二次大戦中に性奴隷として強制連行した事実を認め、韓国政府に10億円を支払うことに合意した」と報じている。これは前回のブログに書いた通りだ。

オーストラリアに慰安婦像が建って中韓反日団体の主張がまかり通ることによって、日系人とその子女が不当な差別やいじめに遭うことを防ぐために戦ってきた団体「AJCN」が、1月4日に「慰安婦問題日韓合意に関するAJCNの見解」を発表しました(実際に慰安婦像が建っている北米ではそういったことがもうあるそうだ)。
政府ではなく自分達でお金を出し、日本人の為に頑張ってくれている方々。
日本政府の玉虫色的な話では無く、世界でどう報じられているかを実際に肌身で感じている方々。

ぜひご一読下さい。
慰安婦問題日韓合意に関するAJCNの見解

以下引用
今回の合意を支持する人たちは、「高度な政治判断により、韓国政府に重い宿題を課した。反日団体を説得できず、この問題を蒸し返したら、非難されるのは韓国政府だ。安倍首相はそこまで考えて決断した」と主張しています。実際、韓国政府が必死になって何度も国民に理解を求めながらも、挺隊協から猛反発を食らっている姿を見れば、ボールは韓国側のコートにあるという主張はその通りです。結局説得に失敗して、この合意は流れてしまうかもしれません。そうなれば、韓国政府の過失です。それは理解できます。

ただ、その一方で、日本のメディアが伝えず、ほとんどの国民が気付いていないことがあります。それは、今回の合意と岸田外務大臣と安部総理の談話を受けて、世界中のメディアが一斉に「日本政府が、第二次大戦中に20万人のアジア人女性を性奴隷として強制連行し、人権を蹂躙した事実を認め、韓国政府に10億円を支払うことに合意した」と報じていることです。これはそのまま、アメリカをはじめとする各国政府の見解となります。「とうとう認めたか、初めから抵抗なんぞしなければ良かったものを」という解釈です。日本のメディアは「(米紙は社説で)画期的な合意をサポートする。解決が遅れたのは歴史を書き換えようとした安倍首相と右派の政治的盟友らの責任だと述べている」*2 というような報道しかしないので、「20万人の強制連行と性奴隷化」というプロパガンダが歴史上の事実と認定されたと報じられていることに気付く日本人は少ないでしょう。合意を歓迎し、米国内の韓国系団体が反発していることに自制を求め、「米国内でも合意への支持 と完全な履行を強く望む」と訴えた米国務省のトナー副報道官は12月29日の記者会見後の質疑応答の中で次のように語っています。

「我々、アメリカ合衆国は、何度も言っているように、第2次大戦中の日本軍による性的目的のための女性の人身売買は、恐るべきひどい女性の人権の侵害であった。」
We’ve stated many times – the United States – that the trafficking of women for sexual purposes by the Japanese military during World War II was a terrible, egregious violation of human rights.

日本政府の声明には強制という表現はなく、法的責任も認めていないと主張する方もいらっしゃいますが、それは残念ながら国際的には全く通用しません。なぜなら、岸田外務大臣による発表を英語で読んだら、日本が犯罪国家であったと全面的に認めたとしか読めず、強制や法的責任などの言葉の有無は無関係になってしまうからです。今回の合意の証人であるべきアメリカの報道官が上記のように述べているのですからなおさらです。
日本語による表現と、外務省によるその英訳では、ニュアンスに大きな隔たりがあることを以前から指摘して来ましたが、全く顧みられていないことに愕然とします。

慰安婦問題は,当時の軍の関与の下に,多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけた問題

The issue of comfort women, with an involvement of the Japanese military authorities at that time, was a grave affront to the honor and dignity of large numbers of women

この部分だけで十分アウトです。軍による甚だしい女性の人権侵害が行われたと認めたのですから、これまでの全ての糾弾(強制連行、性奴隷化)を認めたと同義と解されます。

安倍内閣総理大臣は,日本国の内閣総理大臣として改めて,慰安婦として数多の苦痛を経験され,心身にわたり癒しがたい傷を負われた全ての方々に対し,心からおわびと反省の気持ちを表明する。

As Prime Minister of Japan, Prime Minister Abe expresses anew his most sincere apologies and remorse to all the women who underwent immeasurable and painful experiences and suffered incurable physical and psychological wounds as comfort women.

これは河野談話以前から使われている常套句ですが、日本人のほとんどは抒情的な日本語の原文しか読まないでしょうが、外国人は英語の方しか読みませんので、当然英語のニュアンスで理解します。英文を日本語に訳し直せば、こんな感じになります。

安倍内閣総理大臣は、日本国の内閣総理大臣として改めて、慰安婦として、計測不可能な苦痛に満ちた経験をされ、治癒不能な肉体的および精神的な傷を負った方々に対し、心からおわびと反省の気持ちを表明する。

言うまでもなく、おわびは謝罪であり、国際社会では謝罪するということは罪を認めることと同義であり、計測できないほどの苦痛を与え、治癒不可能な傷を肉体的にも精神的にも与えたと認めるならば、拷問したと言っているのと同じです。これではクマラスワミ報告も認めていると解釈されても仕方ありません。これらの表現は以前から使われているのですが、今回は責任を認めた一文の中で明確に軍の関与によると認めてしまったので、強制では無かったと主張しても、軍が虐待して人権を蹂躙したことに変わりはないと反論されるのが目に見えています。今後、海外の教科書にも「日本政府が正式に認めた」と書かれていくでしょう。つまり、これまで、民間が必死の思いで積み上げてきた「事実誤認の訂正と日本の名誉回復」の努力を完全に粉砕してしまったわけです。これから手をこまねいて何もせず時間が経過すれば「日本政府は強制連行は認めていない、慰安婦は性奴隷ではない」と主張するのは非常に困難になってしまいました。

引用終わり

合意により、濡れ衣を晴らすどころか、日本政府が認めてしまったと言うことになっているのです。
韓国が混乱しようが、韓国現政権が大変になろうが、関係ありません(それで溜飲を下げている人もいるようですが)。
また今回の合意ができなかったら韓国は世界で相手にされなくなる、そんなこともどうでもいいのです。
これまで韓国だけがやっていた告げ口外交を、日本が認めた事になっているのですから。
韓国が世界からどう思われようが、告げ口外交が諸外国から飽き飽きされていようが、一度認めてしまえば、世界に報じられてしまえば、そんな韓国にひどいことをした日本というレッテルはもうはがせないのです。
戦争を知らない、そしてこういった事を知らない子ども達の教科書に載るんです。
みなさんはどう思われますか?
軍の関与を認めたのなら、軍が何に関与したのか。
首相がおわびするのなら、何に対しておわびするのか。
そこまで明言すべきではないでしょうか。

いいね!・フォローで応援宜しくお願いします。