本日2011年8月31日の山形新聞にも掲載していただきましたが、昨日芸工大議員連盟(詳しい説明は昨日のブログ参照)で東北芸術工科大学と京都造形大学の学校法人合併について、山形県庁にて勉強会を行いました。
そこで詳しい数字なども教えていただきました。
私がわからなかった部分は皆さんもわからないと思いますので、その辺を中心に書かせて頂きたいと思います。

まず大前提を書いておきますが、芸工大は私大です。
市立・県立ではありませんので、山形県や山形市がこの合併に関して止めさせると言うことはできません。
「私大なんだから勝手にしても良いんだろう?」というご意見もあると思いますが、設立の経緯と、あまりにも寝耳に水でしかも急すぎる話のために「なんで?」そして「こんな流れが許されるのならば、このあともどうなるかわからない」という不安感から、みんな声を上げていると言うことをご理解下さい。

1)新聞やテレビ、あるいはHP・ブログ等により「設立に150億円出した」「200億円補助した」と金額にばらつきがあることについて。
これは創設にかかる施設整備費としての補助金は149億円です。
なので、創設時の補助金としては、約150億円ということになりますね。
その後の環境や施設の整備、運営経費補助(開学から4年間は毎年1学年しか増えていかず学生が本来の形よりも少ないため、4年間は運営経費を補助していた)や大学院開設、学科増設など、平成13年までの補助金を全て合計すると約200億円(194.9億円)になります。

2)現在の山形県や山形市の関わりについてですが、平成2年の準備から平成13年度まで補助を行っておりましたが、現在は一切補助を行っておりません。
理事長も開学時は板垣氏(県知事)、翌平成5〜11年は金澤氏(山形市長)でしたが、平成12年以降は京都造形大と同じ徳山氏になっております。
だから見方を変えれば、理事長も変わったし10年経ったので、あとは本来の民営スタイルにとなったようにも感じます。
職員の派遣も開学当初は6人でしたが毎年1人ずつ減っていき、平成8〜10年度は2人、平成11年度は1人、そして翌年からは行っておりません。
また平成15年12月の役員改選により、県・市から選出されていた役員が退任しております。それはどちらの都合だったのかまではわかりませんが。

3)現在の学校法人東北芸術工科大学の経営について。学校法人なので税金を納めているわけではありませんので、県や市への税収がこれによって経ると言うことはないようですが、少なくても(もちろん設備投資などがありますので借金はありますが)健全に経営されており、赤字経営が続いているというわけではありません。

私はなぜ公設民営というスタイルまで採って東北芸術工科大学を作ったのかはわかりません。
1期生ではありますが、「山形に今度新しい大学ができたんだって。しかも情報系(高校生のときは理系クラス。これからの主流となるであろうパソコンを使った情報・工業系の大学に進みたいと思っていた)だから受験してみよう」と思ったもののその背景なんか知るよしもないですし、大学生時代は授業とバイトとサークルぐらいしか頭にありませんでしたしね。
しかし現在、市議という立場になって考えると、国立の山形大学だけではなくもっと若い人が山形に来て欲しい。定着して欲しい。だから新たに大学を誘致したい。でも非常にリスクが高いからなかなか手を上げてくれるところもないし自分達でもそこまではできない。だから最初にかかる資金は県や市が出すから(箱を建てるから)山形で大学を開いてくれないか?と話を持って行っていたのではないかと思います。
それは現在人口を増やすために婚活パーティーを自治体が支援したり自ら開催したりする事にも似ていると思います(もちろん規模は大きく違うけど)。
人口増→出産→結婚→若者の出会いが必要→ならば婚活支援のような。
人口増と活気があふれる街にしたい→それなら若者を増やさなければ→ならば山形に新しい大学をって考えたんじゃないのかなぁ。

今回の合併について不安・不満に思っているのは前のブログにも書きましたが、「対等な立場で」と言っているにもかかわらず、よく読んでいくと「学校法人東北芸術工科大学は解散し、学校法人瓜生山学園に合併しますが、学校法人芸術学舎と名称を変えます」。
つまりどうみても「吸収」なんですよね。
しかも6月の理事会で法人統合に向け協議を進めることを決定し、7月には統合案を議決、8月には文科省への認可申請提出という、ものすごい早さで。
しかも卒業生も一切知らないし、県や市に説明することもなく。
その強引さで行けば、最悪のケースですが、「学生の数が少なくなってきたので山形キャンパスは閉校します」なんて言うのも京都ですぐに決めてしまうこともできるようになってしまう事も考えられます。

さっき書いた通り、設立の思いはわかりません。
しかし京都の分校を作るなんて聞いていたら、県や市が補助金を出すはずもないですし、京都にいる徳山氏の企業(学校法人ですが)の為に建てたつもりもないと思います。
密室で、しかも早急に話を進めていることに不安を感じ、絶対何か裏がありそうと思っているので、今回このように声を上げています。

現在赤字でもない健全な大学、私達が思いを持って作った大学が、いきなり「統合協議に入ります」「半年後には統合します」「吸収して京都の学校法人が運営します」っていう展開はないんじゃない?
しかも県民市民はもちろん、卒業生や在校生すら知らない中で。

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