一昨日、IWC2018 sake部門が山形で開催される事についてブログを書いたのですが、山形のお酒、特に日本酒について、こういった展開ができればいいなと言うのを書いてみたいと思います。
農業をやっていないし、お酒も好きなだけでそれを商売にしている訳でもないので、あくまでも「素人目線・机上論」ですけどね。
結論から先に書くと「山形のお酒は、山形の救世主になる」です。
どっからそういう話になるかは、続きをご覧ください。

まず、IWCは元々ワインの品評会なので、ワインの数字について記載します。
全世界でブドウの総栽培面積は約800万ヘクタールで、収穫量は約6700万トン強。
国際ブドウ・ワイン機構OIVの発表によると、2015年の世界のワイン生産量は前年比2%増の2億7570万hl(ヘクトリットル。初めて聞いた単位ですが、1000リットル=10ヘクトリットル=1キロリットルなので、2757万キロリットル)。これはほぼ平年並みの数量だそうで、消費量は約2億4000万hl。
残念ながら日本酒の世界全体での生産量の数字を調べることはできなかったのですが、日本酒の国内出荷量は60万kl。もちろん日本国外でも作っているのでこれだけで単純比較はできないのですが、ワインと比較すると2%ぐらいとなります。
傾向としては、国内出荷量が減少しているのですが、量から質へと消費者の指向が変化しているので、吟醸酒、純米酒等の「特定名称酒」の出荷量は伸びています。
また、日本酒の出荷量は下がっているのですが、平成27年の輸出数量は18,180kLと、この10年で倍増(全出荷量のうち輸出量が占める割合は3.2%)しており、日本食ブームも相まって、こちらはまだまだ伸びそうです。

さて、次に農業の話を。
現在耕作放棄地等が問題になっているように、就農者がどんどん減っております。
農業は収量×単価=売上(農業に限らず商売は皆そうですが)。売り上げを上げるには収量を増やすか、単価を上げるか。
山形の代表的作物のさくらんぼは非常に手間がかかる(収穫も気を使うしね)ので、単価は高いのですが手間がかかるしデリケートなので機械化も難しく、なかなか大規模化はできません。最盛期はどこも「人手不足だ〜」って言っていますしね。
逆にお米や麦などは単価は高くありませんが機械化しやすく、大規模化に向いています。
ただし、今はどんどんお米の消費量が減っているので、「作っても売れない(単価が低い)から作らない」という傾向になっているのではないでしょうか。

まとめると
○日本酒はワインの2%。特に海外にはまだまだ広がる余地はある。
→山形の日本酒が海外にどんどん進出できたら、それを造る酒米が必要
→お米は機械化されているので、就農者が減っても対応しやすい
→大規模化もしやすいので、山形の耕作放棄地が削減
→基幹産業の農業に柱ができれば、山形全体の収益も上がっていく
という論法です。
○どうやってワインの牙城を崩していくのか
○酒造好適米の中でも、特に「山田錦」「五百万石」は酒蔵・酒造メーカーからのニーズが多いが、山田錦は兵庫県、五百万石は新潟県が圧倒的シェアを誇る。山形でそのレベルの酒造好適米を作れるのか。
という超えなくてはいけない問題点はありますが、GI指定とIWC開催という山形の日本酒の取り組みが身を結んできていますので、県が主体となってさらにもう一歩、二歩と進める事が必要ではないかと思います。

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